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私は経験ゼロで看護学校に入った。医療や介護の仕事を、一度もしたことがなかったのだ。
病院はもちろん、介護施設で働いた経験もない。当時は営業職の正社員として働いていて、医療とは何のつながりもないまま看護学校の入試を受けた。
だから最初は本当に不安だった。クラスメートの中には介護施設でパートをしながら受験した人もいて、「やっぱり現場経験があった方が有利なのかな」と何度も思った。
でも、今になって振り返ると、経験がなかったことより「やっておけばよかった」と思うことがいくつかある。今日はそれを正直に書く。
①勉強の習慣を、入試前からつけておけばよかった
看護学校の入試科目は、国語・数学・生物・英語など学校によって様々だ。私はブランクが長く、数学や英語は完全に錆びついていた。
入試の半年前から慌てて勉強を始めたが、子育てや家事の合間に詰め込むのは本当にしんどかった。もっと早くから、1日30分でもいいから勉強する習慣をつけておけば、もう少し余裕があったと思う。
主婦で勉強から遠ざかっている人ほど、早めのスタートをおすすめしたい。
②看護師の仕事を、もっとリサーチしておけばよかった
「看護師になりたい」という気持ちはあったけれど、実際の仕事内容や勤務形態をちゃんと調べていなかった。
入学してから実習が始まると、思っていた以上に体力勝負で、夜勤のことや人間関係のリアルが見えてくる。入学前にもう少し「看護師あるある」や現役看護師のブログ・動画を見ておけば、心構えができたと思う。
今はYouTubeやブログで看護師の本音がたくさん発信されている。読んでおくだけで全然違う。
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③お金の計画を、もっと早く立てておけばよかった
看護学校に通う3年間、私はほぼ無収入だった。教育訓練支援給付金を受けながらなんとかやりくりしたけれど、入学前にもう少しお金の計画を立てておけば、精神的な余裕が違ったと思う。
奨学金の種類や返済条件、教育訓練給付金や教育訓練支援給付金が使えるかどうか。入学前にこれらをちゃんと調べておくことを、強くすすめたい。知っているだけで選択肢が広がる。
④家族への説明と、協力体制をしっかり作っておけばよかった
私は子供がいて、ワンオペに近い状態で看護学校に通った。入学してから、家族に頼まなければならない場面が一気に増えた。
「3年間はこうなる」というイメージを家族と共有して、入学前に役割分担を決めておく。それだけで、入学後のストレスがかなり違うと思う。
働きながら受験した。ただし、看護とは何の関係もない仕事だった
もう少し正確に書いておきたい。
私は入学前、営業職の正社員としてフルタイムで働いていた。「経験ゼロ」というのは、医療と介護の経験がゼロという意味であって、働いていなかったという意味ではない。
だから受験勉強は、仕事をしながらだった。日中は働いて、家に帰れば子供のことがあって、そのあいだに数学と国語をやり直した。
このことを書くのは、「今の仕事を辞めてから考えよう」と思っている人に、その必要はないと伝えたいからだ。私は辞めずに受験して、合格してから辞めた。順番はそれでよかったと思っている。
もうひとつ。営業の仕事は、看護とは何の関係もないと思っていた。実際、技術の面ではまったく役に立たなかった。ただ、人と話すことに慣れていたのは、今の仕事で助かっている部分かもしれない。関係のない経歴に見えても、丸ごと無駄になるわけではないようだ。
夫には頼らなかった。頼れなかったのではなく、頼りたくなかった
④に「協力体制を作っておけばよかった」と書いた。けれど、正直に書くと、うちの場合は少し違う。
私と夫は、もともと仲が良くない。だから「3年間はこうなるから協力してほしい」と話し合う関係ではなかった。
それに、頼ること自体が、私のプライドとして許せなかった。助けてほしいと言うことが、自分で決めたことを自分で背負えていないように思えた。
だから私は、頼らずに回る形を先に作った。実習で朝が早い日だけは母に頼み、あとは自分で回した。記録は「7割できたら寝る」と決めて、終わらなくてもそこで切り上げた。協力が得られない前提で、崩れない組み方をしたということだ。
これから看護学校に行く人の中には、家族に相談できない人もいると思う。応援してもらえない人も、頼めない人もいる。私もそうだった。
だから「家族の協力を得ましょう」だけでは足りないと思っている。得られる人は得ればいい。得られない人は、頼らずに回る設計を先に作る。どちらでも、卒業はできる。
医療・介護の経験ゼロは、むしろ良かったと今は思う
ここまで「やっておけばよかったこと」を書いてきたけれど、最後に逆のことも書いておきたい。医療・介護の経験がなかったことは、結果的に、悪いことばかりじゃなかった。
入学前は、現場経験のあるクラスメートがうらやましかった。オムツ交換も、車椅子への移乗も、彼女たちは最初からできた。私は何もかも初めてで、技術の授業のたびに緊張していた。
でも、しばらくして気づいた。私には、変な癖がついていない。
学校では、ひとつひとつの技術を「なぜそうするのか」という根拠とセットで教わる。経験ゼロの私は、それをまっさらな状態で、教わったとおりに吸収するだけでよかった。
一方で、現場経験のある人は、前の職場で身についたやり方が、学校で教わる手順と違うことがあるようだった。一度体に染みついたやり方を直すのは、ゼロから覚えるより難しいのかもしれない、と隣で見ていて思った。
実習でも、変な先入観がないぶん、患者さん一人ひとりを素直に見られた気がする。
だから、もしあなたが「経験がないから不安」と思っているなら、心配しすぎなくていい。白紙であることは、弱みじゃない。教わったことを素直に吸収できるのは、立派な強みだ。
経験がなくても、看護学校には入れる
結論として、私は医療・介護の経験ゼロで看護学校に入り、3年間なんとか乗り越えて、看護師国家試験に合格した。
現場経験がないことで困る場面もあったけれど、それが致命的になったことはなかった。学校で一から教えてもらえるし、実習でじっくり学べる。
大事なのは経験より、「覚悟」と「準備」だと思っている。この記事が、同じように迷っている誰かの参考になれば嬉しい。
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