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看護実習はきつい。これは、40代・社会人から看護学校に入った私が、心の底から実感したことです。今まさに実習で「もう逃げたい」と思っているあなたへ。当時の私のリアルを、綺麗事なしで書いていきます。
看護実習がきつい、いちばんの理由
私にとって実習がきつかった理由は、まず「眠れないこと」でした。
日中は朝から病院。帰ってきてからは、その日の記録、調べ物、そして翌日の看護計画の事前準備。やってもやっても終わらなくて、気づけば夜中。睡眠時間は、どんどん削られていきました。
記録の量、調べ物の量、看護計画の準備——この三つが、毎日のように私にのしかかってきました。「今日のぶんが終わっていないのに、もう明日のぶんが始まる」。まさに自転車操業の毎日。体も頭も、休まる時間がありませんでした。
「指導者が怖い」は、思い込みだったのかもしれない
実習でもうひとつしんどかったのが、指導者(指導してくれる看護師さん)の存在です。
正直に言うと、私は「指導者は怖いものだ」という固定観念で、最初からガチガチに萎縮していました。でも今ふり返ると、実際には怖くない人もたくさんいたんです。中には、優しく丁寧に教えてくれる方もいました。
それなのに、「怖い」という思い込みだけで、私は勝手に自分を追い詰めていました。もちろん、先生によって”あたりハズレ”があるのも事実です。厳しい方もいます。でも、必要以上にビクビクして、精神的にきつくしていたのは、ほかでもない自分自身でもありました。これは、これから実習に行く人に、いちばん伝えたいことかもしれません。
指導者が見ていたのは、二つだけだった
怖かったのは、指導者そのものよりも「何を聞かれるか分からない」ことでした。
でも、実際に見られていたのは二つだけでした。看護計画の中に留意点を挙げているか。そして、その留意点をもとに実施しているか。この二つです。
一度、「調べた? 教科書でちゃんと調べた?」と言われたことがあります。怒鳴られたわけではありません。ただ、答えられませんでした。調べたつもりで、調べきれていなかったからです。
あのころの私は、何を聞かれても答えられるように備えようとしていました。教科書を広げて、関係のありそうなことを全部読もうとして、それで夜中になっていました。準備の量が足りないのだと思っていたんです。
でも、足りなかったのは量ではなく、向きのほうでした。全部を覚えるのは無理です。けれど、自分が計画に書いた留意点のことなら答えられる。指導者が見ていたのは、そこでした。
これから実習に行く人には、この順番で準備してみてほしいと思います。①看護計画に留意点を書く(たくさんでなくていい)②その日は、書いた留意点に沿って動く ③記録も「挙げた留意点に対して、自分は何をしたか」で書く。この三つがつながっていれば、聞かれたときに答えられます。
もちろん、学校や指導者によって見るところは違います。ただ「全部を完璧に」ではなく「自分が挙げたことには答えられる」を目指すだけで、準備はずいぶん軽くなります。
涙が止まらなかった日のこと
実習中、私はよく泣きました。
「これといった大きな理由があって泣いた」というより、情緒が不安定で、ちょっとしたことですぐ涙が出てしまう状態だったんです。周りの人と自分を比べては、また涙。「どうして私だけ、こんなにできないんだろう」と。
今思えば、心も体も限界だったんだと思います。睡眠は足りていない、緊張は続いている。そんな状態で、平常心でいられるほうが難しい。あのとき泣いていた自分を、今はもう、責めたくありません。あれは、頑張っていた証拠だったと思うから。
泣いていたのは、車の中だった。帰りだけでなく、行きも
泣いた場所は、いろいろでした。病院のトイレでも泣きました。でも、いちばんよく泣いたのは車の中です。
睡眠は、ふだん4〜5時間。たまに2〜3時間で病院に向かう日もありました。そういう体で毎日通っていれば、涙はいつでもすぐ近くにありました。
帰り道に泣くのは、まだ分かります。その日にできなかったことを思い出して泣く。言われたことを、車の中で何度も思い返す。
でも私は、行きの車でも泣いていました。まだ何も起きていないのに、です。
今ふり返ると、一日のうちでいちばんしんどかったのは、実習中ではなく、病院に着く前の時間でした。起きたことで泣いていたのではなく、これから起きることで泣いていたんです。
だから「今日を乗り切れば楽になる」と考えても、あまり効きませんでした。次の日の朝が、また来るからです。
代わりに助かったのは、泣ける場所がひとつあったことでした。車の中は、誰にも見られません。声を出しても大丈夫です。病院に入る前に、そこで泣く。家に入る前にも、そこで泣く。
実習がきついとき、泣かないようにする努力はしなくていいと思います。泣かずにいられるほど、あの生活は甘くありませんでした。それよりも、泣いても大丈夫な場所をひとつ決めておくほうが、続きます。私にとっては、それが車でした。
同じ時期のことは看護学校の実習で泣いた話。それでも続けた理由。にも書いています。
子どもの存在が、私を救ってくれた
40代・社会人で実習に行くと、若い同級生との「体力の差」「吸収力の差」は、どうしてもあります。それは隠しても仕方がないので、正直に認めます。覚えるスピードも、体力の回復も、若い子にはかないませんでした。
でも、私には逆に、救いがありました。それが、子どもの存在です。
子どもと過ごす時間だけは、実習という現実から離れられたんです。限られた時間の中で、「ちゃんと向き合えていなくてごめんね」という申し訳なさを感じながらも——その子といる時間に、私は何度も救われました。実習のことを忘れられる、私にとって貴重な”避難場所”だったんです。
もっと詳しい体験は、こちらにも書いています。アラフォーから看護師を目指してわかったこと、正直に書く。
これから実習に行くあなたへ
最後に、これから実習に行くあなたへ。
辛い、逃げたい——そう思うのは、当たり前です。この状況を心から楽しめる人のほうが、きっと少数派。だから、そう感じる自分を責めないでください。
私が思うに、看護学生ほど辛い学生生活はありません。本当に、しんどい。でも、だからこそ「なんとかなる」の精神で、乗り越えてほしいんです。
これを乗り越えたら、その経験は必ず人生の糧になります。そして「あの実習を乗り越えた」という事実そのものが、これからの人生で、揺るがない自信になります。ひとつの成功体験として、ずっとあなたを支えてくれるはずです。
私も、泣きながら、なんとか乗り越えました。だから、大丈夫。あなたも、きっと大丈夫です。
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